独立~個人事業主となって丸3年。まもなく4年目に突入しようとしています。この立場になって思うことは「やっぱこれで良かったな」ということですね。独立すると決めた当初は会社と言う団体に所属して30年以上仕事をしてきたものが個人で仕事ができるんかいな、という不安が無かったと言えばうそになる。しかし実際にはとりあえず3年できたわけで、家族共々、飢え死もせずに生きてこられた。人間、やろうと思えばなんとかなるものだ。ちなみに今後も会社員(勤め人)に戻ろうなどとはこれっぽっちも考えていません。
人はそれぞれなので会社員と独立のどっちが良いかなんて言うことははっきり言って余計なお世話だと思うが、いろいろ周りに話を聞くと独立したくても勇気がないという人もいる。そこで今回はこの3年ほどで感じる独立したくでも勇気がない人に向けて少なくとも私の場合はこうだった、的な話をしていきたいと思います。

独立して良かったこと
通勤時間がほとんどない
会社員当時は片道1時間以上を通勤に費やしていたのでこの時間的なメリットは大きい。
好きな時間に仕事ができる
勤務時間というものが決められているわけではないので例えば午前中で仕事を終わらせてあとは自由、ということもやろうと思えば可能。ちなみに独立してから深夜まで仕事をすることはほとんどなくなった。
平日に自由が利く
例えば歯医者の予約を平日の混まない時間を選べる、映画を平日に見に行けるなど平日に自由な時間が作れる。

煩わしい人間関係を持たなくても良い
直接、組織に関わらなくなったので組織に関わる煩わしい決めごと、人間関係を気にしなくても良いようになった。
いやな仕事は断れる
気に入らない仕事を断ることも可能。もっともあまりこれを発動しすぎると問題もあるし、断り方は考えるけど。
税金対策ができる
税金に関しては会社員時代とは全く別次元になった。会社員時代、税金なんて自分とは全く関係ない世界だと思っていたが…。まったく知識が無かったので税務署が開く無料講習会に出向き、実際の業務は会計ソフトを頼りに。まあ、これもやればできる。

独立して良くなかったこと
収入が不安定
極論言えば、今日の仕事は次回も約束されません。
運動不足になりがち
通勤がないことも相まって外出機会が減る。そのぶん、運動不足になりがち。運動不足の解消法として2~3日に一度は1時間弱のジョギングと1時間以上のウォーキングを心がけています。
仕事に対する知識が狭くなりがち
受ける仕事内容がどうしても偏る。自分でビジネスを開拓しない限り新しい分野に入るのが難しい。
他人との交流が少なくなりがち
同じような人とばかり接点を持つことが多くなる。これも前項と同じく自分で新しい分野を開拓しないと新たな展開をつかみにくい。
独立の事業を継続させるために
せっかく独立できても続けなければ意味がない。続かない理由はいろいろあるだろうが私が見て感じるところ、結局はお金が続かないから。以下に続けるためのコツを挙げていきます。

小さく始める
独立するからと言って最初から事務所を借りるなど大きなお金をかけるのはもってのほか。最初に揃えて便利なのはパソコン、携帯電話ぐらい。将来的には事務所を借りるということもあり得るが最初は自宅の1室からがベスト。家にスペースが無いという人は図書館や役所などの公共施設には無料で自由に使えるラウンジがいくらでもある。プリントが必要であればコンビニを使えばいいし工夫次第で固定費を掛けないスタイルはいくらでも可能。

借金しない
前項に関連するが借金などはもってのほか。設備投資や過剰な在庫を抱えるなどは避ける。
一つの仕事にこだわらない
発注元が同じところばかりではそれ自体がリスクになる。とはいえ個人で事業をやっている人は会社の看板を持っているわけではないので新規開拓はかなり難しいと思った方が良い。個人で事業を始められるものを見つけ、数年かけてそこを伸ばす気でいた方が良い。私もこのブログをなんとか事業化しようとしている(けど、なかなか難しいですが…)。
生活防衛資金
独立するにあたって生活防衛資金、セーフティネットを持つ必要がある。具体的には向こう1年ぐらい無収入でも食っていけるぐらいの現金。いざとなったら逃げこめる実家など。
独立に向いている人
ここまでいろいろ書き綴ってきたがそもそも独立と言う立場に向いている人とあまり向いていない人もいるのは確か。以下は少々独断と偏見で個人的に感じているところを挙げてみた。
自分で計画を立てて仕事ができる人
具体的には計画のお尻から逆算して現状を把握できる人という意味。この計画を立てるという作業の中には業務を細分化してたどり着くべき到達点まで何をすべきか、という分析ができる人、という意味も含まれます。
物事を後回しにしない人
やるべきことの優先順位をつけて最も先にやるべきことを見極める力がある人。
お金の計算ができる人
個人事業主として独立するからには当然、収支管理も自分でやることになる。
納期を守れる人
会社員時代は多少計画にブレが生じても社内の誰かが助けてくれたかもしれないが独立するとこれがなくなる。「誰かに相談する」「外注する」も場合によってはあり得るが、徹頭徹尾、自分で管理する必要がある。
これらが当てはまらない人は独立できないというわけではないし、当てはまるから問題ないというわけでもない。ただこういう人は独立してもやっていける可能性が高いのは確かですね。

最後に独立したいなーと思っていてもなかなか踏みけれない人へ
特に50歳半ばを過ぎると会社の中でも微妙な立場になる人も少なくないと思う。そうなるとあれほど守ってもらっていたはずの会社がどうも居心地が良くないところになりがち。これは個人的な考え方だが私はまもなく定年を迎える人の方が独立しやすいのではないか。今後、会社が終身雇用、年功序列という形を取らなくなっていくであろうという予測がされる中、その先役員にでもなるなど一部を除いて会社組織に所属することが必ずしも有利とは言えなくなってきている。
そうなったとき、もし自分の心の中と会社との関係性とで総合して独立と言う道筋が見えるのであれば、考えてみる一つの選択肢になるハズ。会社側とこういう話を忌憚なく話せる関係性があるのであればなおのこと有利に話が進むことも考えられる。 実際、独立についてはそんなに心配しなくても1年ぐらい飯が食えるぐらいの預貯金があれば飢え死にはしません。もし家庭環境で子供に手もお金がかからなくなっているならますます何とかなるものです。特に60歳まであと1~2年と言う人にとっては年金というセーフティネットもあるわけで、ますます恐れるものはない。独立は思ったほど敷居が高いものではありませんよ。
